「理学療法士はやめとけ」
この言葉を目にして、不安になっていませんか。あるいは、今の職場で「辞めたい」と感じながら、でも踏み出せずにいますか。
その声、ちゃんと聞こえています。
私は臨床に立つ現役の理学療法士です。
介護士として老健に勤めた後、PTの資格を取得し、回復期病院・急性期総合病院・クリニックリハビリと4回の転職を経験してきました。
「やめとけ」と言われる業界の実態も、「辞めたい」と思いながら踏み出せずに何度も足踏みした夜も、両方知っています。
この記事では、「やめとけ」と言われる理由を正直に認めながら、「でもそれは職場の問題であってPTという職業の問題ではない」ということを体験談ベースで整理します。
そして、今まさに辞めたいと感じているあなたが「次にどう動くか」の具体的な手順までお伝えします。
先に答えます。
「やめとけ」は半分正しく、半分間違いです。
半分正しい部分の正体は4つです。
▷給与の頭打ち
▷体力の消耗
▷人間関係のストレス
▷将来への不安
半分間違いな部分は、それらの多くが「PT全体の問題」ではなく「職場の問題」であるということです。
つまり、環境を変えれば解決できる。
そしてPT資格がある限り、次の職場は必ず見つかります。
「理学療法士はやめとけ」と言われる3つの構造的な理由
理由①:供給過多で給料が上がりにくい構造になっている
これは「やめとけ」の理由の中で、最も根拠があるものです。
私自身も働いていて正直に認めざるを得ません。
日本理学療法士協会によると、2025年度のPT有資格者は236,390人。
11年前の約2倍。厚生労働省の需給推計では、2040年頃には供給数が需要を約1.5倍上回る見込みのようです。
出典:
日本理学療法士協会「理学療法士国家試験合格者の推移」
厚生労働省「理学療法士・作業療法士の需給推計を踏まえた今後の方向性について」
有資格者が増え続ける一方で、病院や施設の枠は限られています。
さらに厳しくなる診療報酬改定……。
結果として競争が激化し、給与水準が上がりにくい状況が生まれています。
実際に数字を見てみましょう。35〜39歳のPTの平均年収は約457万円ですが、全国民の同年代平均は約482万円(国税庁「令和6年分民間給与実態統計調査」)。その差約25万円。月2万円以上低い水準です。
ただし、これは「だから動かない理由」にはなりません。
給与差は職場を変えることで縮められる部分があります。訪問リハビリや急性期病院、特養への転職で年収が上がったケースは珍しくありません。
理由②:サービス残業・週末勉強会・課題で体力が消耗する
医療・福祉分野の離職率は14.6%で、全産業平均14.2%を上回っています(厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況」2025年公表)。また、「医療・福祉」の離職者数は「卸売業・小売業」に次いで第2位となっています。
この数字が示しているのは「医療職が離職しやすい環境にある」という事実です。
私自身、回復期病院に勤めていた頃を思い出すと……。
3年目になると次々といなくなる後輩……。
18時に仕事が終わったと思ったら必須の勉強会・委員会があったり……。
やっと帰宅できたらレポート課題をする。これが「当たり前」になっていた時期がありました。

毎日仕事終わって帰ったら何もできないよ……。
最近夜中に目が覚めるようになってきたし。

その疲弊感、環境の問題かもしらんで!
個人の根性でどうにかしようと思ってないか!?

えっ、自己管理と努力ではどうにもならないってこと?

そうやで。
離職率が全産業より高いのには理由があるんやで。
職場環境の問題が一つ考えられるな。自分の努力で何とかしようと思うのは的外れやからやめときや。
理由③:患者対応・人間関係のストレスが蓄積しやすい
チーム医療の現場では、医師・看護師・技師系コメディカル・MSW・介護士と毎日連携しながら動きます。この多職種連携が上手く機能している職場はいいですが、機能不全な職場では人間関係の軋轢が生まれやすいです。

何が大変かって、それぞれの職種が忙し過ぎて、多職種のことを思いやれていない環境で働くと辛いな〜。

確かに……。
規模が大きな病院になればなるほど、その傾向は強い気がするな。
✔リハビリ中に検査やお風呂とかぶってしまう
✔ポジショニングや病棟のADLについて、相談されない
✔転院先・退院先をリハビリの状況を聞かずに決めてしまう など
コミュニケーションがとれていれば問題ありませんが、多職種間でコミュニケーションが難しい環境では、こうしたちょっとしたことの積み重ねでストレスとなってしまいます。
また、苦手な患者さんや、感謝どころか敵意を向けてくる患者さんとの関わりに疲れを感じることも、長く働けば必ず出てきます。
「苦手な患者への感情を持つのは、プロとしてダメなのでは?」
と自己否定する若手PTを何人も見てきました。そういう感情を持つこと自体は、ごく普通のこととある程度割り切りも大切です。
ただしここも、問題は「PTという仕事」ではなく「職場環境」であることが多いです。
人間関係が良好で患者との関わりを楽しめている施設は確かに存在します。
正直に言います……「やめとけ」を真に受けるべき職場・無視していい職場
他のブログを見ると、
「慎重に判断して」
「メリット・デメリットを考えて」
という曖昧な結論が多いですが、私はここではっきり言います。
●今すぐ「辞めていい」5条件:1つでも該当するなら待つ理由はない
①給与面に不安を感じ、フルで働いても実生活が苦しい状態が続いている
②上司・先輩からのパワハラや理不尽な叱責が続いている
③サービス残業・過剰ノルマで体か精神に異変(睡眠障害・食欲不振・日曜夜が怖いなど)が出ている
④1年以上「辞めたい」が続いていて、状況が何も変わっていない
⑤週末強制勉強会・委員会など「断れない文化」が組織として固定化しており、それが重荷に感じている
⑤について特に言いたいのですが、これは個人の努力で変えられる性質のものではありません。
管理職の方針・組織文化の問題です。
「自分が変わればなんとかなる」と思って3年頑張った後輩が、精神的に限界を迎えて離職した姿を見ています。
●今は待つべき・先にやることがある2条件
①入職1年未満で「慣れていないだけ」の可能性がある(ただしパワハラ・体調異変がある場合は年数関係なく転職すべき)
②辞めたい理由が「なんとなく」以上に言語化できていない(この状態で動くと「また同じ状況」のループに入りやすい)
②について補足しておくと、「なんとなく」を言語化するのはエージェントのアドバイザーが一緒にやってくれます。一人で整理できなくても、話を聞いてもらいながら言語化する、という使い方が実は一番多いです。

①〜⑤のどれにも当てはまらないけど、なんかずっとモヤモヤはあるんだよね〜。

そういう場合は「なんとなく」の正体を言語化するのが先やな。
それだけで次の動き方がはっきりしてくるで。
□フルで働いているのに、生活が苦しい
□現在上司や先輩からパワハラを受けている
□睡眠障害や食欲不振など、体調に異変が生じている
□1年以上辞めたいと思い続けている
□職場の勉強会を受けるのが苦痛に感じている
▷「辞めていい」と気づいた今が、一番動きやすいタイミングです
1年後の自分が「もっと早く動けばよかった」と後悔しないために…まず選択肢の広さだけでも確認してほしいです。
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不満はあるけど、体や精神に異変が出るまででもないからな〜。
そういう場合は、どう考えたらいいの?

はっきり言って、全くストレス0の職場はないで。
あとは自分がどうしたいかやな。
実際に転職はリスクはあるけど、転職活動にはリスクがないで。条件に合わなかったら、転職しなければいいだけやから。

そしたら、時間の無駄になるだけじゃないの?

全然そんなことないで。
自分の現在位置やPTの市場価値がわかるし、意外とイキイキと働くPTってめっちゃ多いことに気づくで。
外の世界をみることで、今いる職場の環境の良し悪しが客観的に判断することにもつながるで。
理学療法士を「辞めたい・やめとけ」の年代別の未来
理学療法士を「辞めたい・やめとけ」の理由は、大きく3つあります。
▷厳しくなる診療報酬改定による給料の頭打ち感
▷ひたすら求められる知識・技術の研鑽
▷仕事自体のハードさ など
「辞めたい・やめとけ」という感情は、転職で解決するケースが多いです。
でも、転職だけが唯一の出口じゃありません。
年代によって、リスク許容度も家族の状況も、選べる選択肢の幅も違います。
「とりあえず転職」で後悔しないために、年代別のリアルを整理しておきます。
20代のPTが「辞めたい」と感じたとき……まだ全部の扉が開いている
20代は、選択肢の多さが唯一無二の武器です。
体力・時間・やり直しのきく年齢……。この3つが揃っているのは今だけです。
「理学療法士」という国家資格は一生ものです。
もし、新天地での仕事がダメだった場合の保険にもなります。
ただ、焦りは禁物です。
「とにかく早く辞めたい」という感情だけで動くと、転職先でも同じ問題に直面することがよくあります。
20代前半(1~3年目):辞めたいなら動いていい。ただし「なぜ辞めたいか」だけは先に言語化する
1~3年目の転職は、業界的にはごく普通のことです。
医療・福祉の離職率は14.6%(厚労省2025年公表)。10人に1人以上が毎年転職しています。
この年代で一番やりがちなのが「条件だけで次の職場を選ぶ」ことです。
給料・残業・休日数の数字だけを見て転職すると、職場の雰囲気・患者層のミスマッチで「また辞めたい」が始まります。
私の後輩で、2年目に転職して3つの施設を渡り歩いた人がいます。
「転職自体は悪くなかった。」ただ、毎回「嫌なことがあった」「なんとなく合わない」という理由で辞めていました。
エージェントに相談して「自分が本当に何を求めているか」を言語化してから転職したとき、初めて「ここは長く働けそう」と感じた職場に出会えたと話していました。
「なぜ辞めたいか」を一言で言えるようにしてから動く。
◯給料?
◯人間関係?
◯やりがい?
どれが本音かを特定しないまま動くと、転職を繰り返すループに入りやすいので注意が必要です。
20代後半(4~6年目):「まだ若い」から「少し遅れると差がつく」に変わるタイミング
20代後半になると、同期との差が見え始めます。
認定理学療法士の資格を取り始めた人、訪問に出て年収が上がった人、管理職ポストに就いた人……。それを見て焦るのも、比べてしんどくなるのも、どちらも自然な感情です。
しかし、比べて落ち込むよりも自分の内面に問いかける方が重要です。
この年代での「辞めたい」は、大きく2パターンに分かれます。
- パターンA:今の職場環境が問題(パワハラ・残業・ノルマ)→ 転職で解決できる可能性が高い
- パターンB:今の職場ではなく「今のキャリアの方向性」が問題 → 転職先を変えるより「何をしたいか」の棚卸しが先
パターンBの場合に多いのが「PT以外の道に興味が出てきた」という状態です。
私もこの感覚を20代後半に経験しました。でも、すぐに業界を飛び出すより「PTの経験を軸に何かを足す」という方向で考えた方が、長期的には選択肢が広がりやすいです。
◯医療系Webライター:PT経験の専門性がそのまま差別化になる(副業から始められる)
◯福祉用具・住宅改修の専門家:PTの評価スキルが他の誰より活きる領域
◯医療機器・製薬の営業:PT経験者は製品説明の説得力が高い

PT以外の仕事も気になってるんだけど、リスクが怖くて踏み出せないよ。

いきなり辞める必要はないで。
副業や土日の活動で「足す」ことから始めるのが一番リスクが少ないで。
PT続けながら別の経験を積んで、そっちが本業になったら切り替える、という順番が現実的やな。

なるほど。
辞めてから考えるんじゃなくて、続けながら試すってことか。

そうやな。
PT資格は一生ものやから、捨てるんじゃなくて活かす方法で考えた方がいいで。
辞めてしまうと戻りにくいしな。
30代のPTが「辞めたい」と感じたとき……PTで何を積んできたかが分岐点になる
30代は、正直に言うと「選択肢が広がる人と狭まる人に分かれ始める年代」です。
何が違うかというと、PTとして10年近く働いてきた中で「何を積み上げてきたか」です。ここでいう積み上げとは、資格の数ではなく「自分がどんな価値を提供できるか」の言語化力です。
「辞めたい」の前に確認してほしい1つのこと
30代で転職を考えているなら、まず次の問いに答えてみてください。
「あなたが転職面接で語れる“PTとしての自分の強み”を、今すぐ1分で話せますか?」
これが言えない場合、問題は職場ではなく「自分が何者かを言語化できていない」ことである可能性があります。言語化できていない状態で転職すると、面接で評価されにくく、結果的に条件が下がりがちです。
①今まで担当した患者で、一番手応えを感じたケースは何?その理由は?
②自分が職場でよく頼られることは何?(業務内容・性格どちらでも)
③転職先の採用担当者に「なぜあなたを採用すべきか」と言われたら何と答える?

なかなか、自分で考えてもわからないよ。

そういう時は、家族や友人に「俺の性格って何?」「〇〇からみて俺の特技って何?」と聞いてみるといいで。
30代でPTを続けながら「足す」ことで道が広がる領域
30代は体力もキャリアも中間地点です。
完全なキャリアチェンジより「PTを軸に何かを足す」方が、リスクとリターンのバランスが取れています。
ただし、「足す」ことを始めるなら早い方がいいのは避けられない現実です。
40代で始めるより30代で始める方が、圧倒的に選択肢が広がります。
例えば、下記のように何かを小さく始めながら道を探していくと今までのキャリアが活かせます。
◯SNS・ブログ発信:リハビリの知識を患者・家族に向けて発信する。フォロワーが増えると広告収入や相談依頼につながる
◯note・Udemy等でのコンテンツ販売:後輩PT向けの臨床ノウハウ、転職体験談など自分の経験が商品になる
◯勉強会の主催・講師:コミュニティが生まれ、将来のネットワークと収入の両方につながる
◯パーソナルトレーナー:週末だけのスポット活動から始められる。PTとの差別化は専門的なリハビリ視点
◯医療系ライティング:専門家監修として関わるケースも増えている。まずはクラウドワークスで実績作り

30代になって、このまま今の病院で定年まで働くのかって思ったら、急に不安になってきたよ。

その感覚、大事にした方がいいで。
不安の正体が「今の職場が嫌」なのか「PTという仕事自体のキャリアに不安」なのかによって、次の手が全然変わってくるんや。

どうやって見分けたらいいの?

職場を変えたら、「また楽しく働けそう」と思えるなら転職で解決できるで。
でも「PT自体に飽き始めた」「別の何かに興味がある」なら、副業や足し算の方向を先に試してみる方がいいな。辞めてしまう前に試せることがまだあるで。
働きながら始めることは、大変です。
しかし、一生苦しみながら定年まで我慢するのか、新しい道を切り開くのかは、行動次第です。
30代での完全なキャリアチェンジは「できる人」と「難しい人」がいる
正直に言います。30代でのキャリアチェンジは、「あり」の人と「なし」の人がいます。
「あり」の人の条件は、下記の3つを満たしている人になります。
①家族の理解と協力がある
②転職がうまくいかなかった場合のPTへの戻りプランがある
③興味ある業界で実際に働く人に話を聞いたことがある
「なし」に近い人は、「今の職場が嫌だから業界ごと変えたい」という感情だけで動こうとしているケースです。これは失敗率が高いです。「PTの方がずっとよかった」と後悔している人を聞いたことがあります。
キャリアチェンジを考えるなら、先に「その業界で働いている人に直接話を聞く」ことを強くすすめます。理想と現実のギャップを知るだけで、判断の精度が格段に上がります。
40代以降のPTが「辞めたい」と感じたとき……一度立ち止まる価値がある
40代以降は、正直に言うと「動き方を間違えるとリスクが高い」年代です。でも「転職できない年代」ではありません。
大事なのは、動く前の整理と準備です。
まずこの問いを考えてみてください。
「今の不満は職場が変われば解決しますか?」
もし答えが「はい」なら、転職は有力な選択肢です。
もし答えが「わからない」「職場以外にも問題がある気がする」なら、少し整理が必要かもしれません。
40代でも「転職で市場価値が高い」PTの共通点
年齢が上がるほど「何年経験があるか」より「何ができる人か」が問われます。同じ40代のPTでも、転職市場での評価が大きく分かれる理由がここにあります。
◯後進育成・教育の実績がある:どんな風に何人の後輩を育てたかを語れる
◯専門性が言語化できる:何が得意か・何で成果を出したかを1分で話せる
◯役職経験:管理職・主任等の役職経験があり、どのような組織運営をしたか語れる
◯学会発表・勉強会主催の実績がある:院外での学会発表・勉強会主催など活動実績がある
一方で「経験年数だけが売り」で、上記のどれも当てはまらない場合は、転職よりも現職でのポジション強化を先に考えることをすすめます。

40代になっても転職できるの?
経験年数があっても意味ないって聞いたことがあって。

経験年数だけじゃ評価されにくいのは本当やで。でも、それは「ただ長く働いてきただけ」の場合の話やな。
✓後輩を育てた
✓勉強会を主催した
✓専門性を高めてきた
こういう蓄積がある人は40代でも十分に転職できるで。

じゃあ、40代から何かを積み上げるのは遅いってこと?

遅くはないけど、できることは限られてくるから優先順位が大事やな。
後輩育成に力を入れるのが一番即効性が高いかな。
「この人の下で働くと成長できる」って思われる先輩になることが、40代のPTには一番のブランディングになるで。
40代でも「転職活動だけは全員やった方がいい」理由
転職するかどうかに関わらず、40代のPTに私が強くすすめることがあります。
それは「一度だけエージェントに相談してみること」です。
理由はシンプルで、自分の市場価値を外の目線で知ることができるからです。
「自分は転職できないだろう」と思い込んでいる40代PTが、エージェントに相談してみて「思ったより求人がある」「この強みが評価されるとは知らなかった」と驚くケースを何度も見てきました。
転職するかどうかの判断は、その後で大丈夫です。
まず外の世界を知ることが、今の職場への見方も変えてくれます。
40〜50代の二人の転職事例を比較してみる
現在40〜50代の方は、現職場に不満があったとしても、一度冷静に立ち止まる必要があります。
なぜなら、これまでのPTで何をやっていたかによって道が分かれるからです。
Aさん:経験年数20年以上病院勤務。役職:課長補佐。学会発表は1回。特にスキルはないけど、数多くの疾患と症例を経験
Bさん:経験年数20年以上病院勤務・学会発表は20回以上。役職:課長補佐。これまで後進育成に力をいれ、数多くの勉強会を主催。運動器認定理学療法士資格取得
AさんとBさんは給料が今よりも上がる、医療センターへの就職面接を受けました。面接官はどちらの方を採用するでしょうか?
もちろん人柄で勝負することで大きく道を拓く可能性はあります。
Aさんの転職はしにくいが、転職活動で自分の市場価値を知ることは全員に意味があります。そして、転職ができなかったとしても、現職場で活躍すればいいと、割り切って仕事に打ち込めるメリットがあります。
一方、Bさんは転職により新たな道を切り開くチャンスがあるかもしれません。理由は、医療センターで若手職員の教育に力を発揮してもらえるかもしれないと期待できるからです。
このように、PTは経験年数が上がる=スキルアップとは必ずしもならないことを肝に銘じておく必要があります。

ただ漠然と働くだけじゃなくて、自分にとっての目的をもってそれを実行していくことが大切なんだね。

そうやな。
まさに自分のブランディングを高めるってことやな。20代、30代はこういう意識をもって働くといざという時にちゃんと評価してもらえるで。
年代別まとめ:「辞めたい」の次にやることは年代によって違う
このセクションで伝えたかったのは、「辞めたい」という感情の出口が転職だけではない、ということです。
◯20代前半:「なぜ辞めたいか」を言語化してから動く。転職してもいい!でも理由を先に整理する
◯20代後半:PTを続けながら「足す」ことで選択肢を広げる。副業・学び・発信から始める
◯30代:自分の強みを言語化した上で転職か、PTの経験を活かした副業・足し算のどちらかを選ぶ
◯40代以降:転職活動だけはしてみる。自分の市場価値を外の目線で知るだけでも価値がある
どの年代でも共通していることが1つあります。
それは「動く前に情報を集める」ことです。
エージェントへの相談は無料で、登録しても転職を強制されることはありません。「自分の市場価値を知る」ための道具として使うのが、最もリスクが低い活用法です。
▶︎転職エージェント比較記事(※近日公開予定)
「辞めたい」を「辞めてよかった」に変える3ステップ
では、転職するとなった場合の具体的な3ステップを解説します。
STEP1:「なぜ辞めたいか」を一言で言えるようにする
転職活動を始めると、面接で必ず聞かれます。
「なぜ転職しようと思ったのですか?」
ここで「なんとなく環境を変えたくて……」という答えになってしまう人が多いです。
PTは自己分析が苦手な人が多いと言われていて、転職でも条件面(給料・残業・休日数)だけで施設を比較しがちです。
条件面だけで選ぶ転職は後悔しやすく、おすすめできません。
まず自分に3つ問いかけてみてください。
- 今の職場で一番きついのは何か(給料・人間関係・体力・やりがいのどれ?)
- 次の職場で絶対に譲れない条件は何か(残業なし・給料○万以上・専門性アップ、など1〜2個に絞る)
- 5年後の自分はどんな働き方をしたいか
この3つを言語化できていると、自分の方向性が明確となり、面接でも「なぜこの施設を選んだのか」の説明にブレがなくなります。
STEP2:PT/OT/ST専門エージェントを2社以上に登録する
私が転職で一番変わったのは、エージェントを使い始めてからです。
最初の転職はハローワークと求人票だけで動きましたが、結果的に「話と違う職場」に入ってしまいました。
エージェントを使うと3つのことが変わります。
①非公開求人にアクセスできる(給与交渉済みの好条件求人が多数)
②施設の離職率・残業実態・人間関係の雰囲気を事前に教えてもらえる
③書類作成・面接対策・施設見学の調整まで全部無料でサポートしてもらえる
2社以上に登録する理由は「1社だとこの求人しかない」と思い込むリスクを防ぐためです。2社比較するだけで、条件の幅・情報の質・担当者との相性が格段に広がります。

エージェントはやっぱり2社以上登録しないといけないの?

エージェントも合う合わへんがあるから、その確率を上げるためでもあるで。

まずは、行動が大事なんだよね?

その通りや。
登録だけしても色んな提案を出してくれるから、自分の視野を広げてくれるきっかけにもなると思うで。
STEP3:施設見学を必ず申し込む……求人票だけで決めない
転職後に後悔する最大の原因は「職場の雰囲気の想像と現実のギャップ」です。
求人票に書いてあることと実際の現場は必ずしも一致しません。
チームの雰囲気・上司の人柄・患者層の実態は、施設見学で実際に目で確かめないとわかりません。エージェント経由なら施設見学の打診・調整をすべて無料でやってもらえます。自力で応募するより、はるかに内部情報が得られます。
転職エージェントを使わない転職は、情報格差で確実に損をします。施設の内部事情・非公開求人・年収交渉……。これらを知らないまま転職すると、あとから「もっと条件のいい求人があったのに」という状況が起きます。
私が3回目の転職でエージェントを使い始めて最も後悔したのは、「なぜ最初からやらなかったのか」です。
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よくある質問(FAQ)
Q1. 理学療法士はやめとけと言われるのはなぜですか?

A.主に3つの構造的な理由があるからです。
①上がりにくい給料構造、②サービス残業・週末勉強会による体力消耗、③患者対応・職場人間関係のストレスの3つが考えられるで。
ただしこれらは「PT全体の問題」ではなく「職場の問題」がほとんどで、環境を変えることで大きく改善するケースもあるから、まずは動くことが先決。
Q2. 理学療法士1年目・2年目で辞めたいのは甘えですか?

A.いいえ。甘えではない。
医療・福祉分野の離職率は14.6%(厚労省2025年公表)と全産業平均を上回っていて、毎年一定数のPTが転職しているな。特にパワハラや体調異変がある場合は年次関係なく転職を検討すべき。「まだ1年目だから」という思い込みが、体や精神へのダメージを長引かせるリスクがあるから、これもすぐに動いた方がいい案件やな。
Q3. 理学療法士を辞めた後の転職先はどこが多いですか?

A.それはPT資格を活かした施設内転職が最多です。
訪問リハビリ・急性期病院・クリニック・老健・特養・デイサービス(デイケア)が主な選択肢になるかな。訪問リハビリは年収アップが期待でき、クリニックはノルマ・残業ゼロでQOL改善に向いてるで。PT資格がある限り職に困るケースはほとんどなく、施設種別の選択肢は思っているより広いで。
▶関連記事:回復期出身PTが転職で「強い」施設種別ランキング【施設別に徹底比較】。
Q4. 転職エージェントに登録したら今の職場にバレますか?

A.いいえ。バレません。
PT専門エージェントは現職場に連絡がいかないように調整し、他の施設を調べて情報をくれるで。在職中の転職活動は法的にも問題なく、登録・相談・施設見学の調整まですべて無料。「転職を決めていない段階での登録」も歓迎されており、情報収集だけで終わらせることも可能やで。
Q5. どうしてもPTを辞めたいです。それでも我慢してPTをした方がいいですか?

A.いいえ。年齢と未婚かによるが、我慢する必要はない。
まず、なぜPTを辞めたいのか、それを言語化することが重要やな。その理由がPT以外の別の仕事をしないと達成できなければ、辞めることも選択肢に入るで。
ただ、生活があるから、そこは慎重に調べて第二プラン(PTに戻るなど)も考えた上で、辞めるのはアリ。
まとめ:「やめとけ」と言われても、動いた人が景色を変えた
この記事の冒頭で、「その声、ちゃんと聞こえています」と言いました。
「やめとけ」という声は半分正しい。でも、それはPTという職業の問題ではなく、職場環境の問題である場合がほとんどです。
私も転職の理由のほとんどが、他の領域でやりたいことと人間関係です。
今すぐ動くべき5条件を最後にもう一度確認してください。
▷①給与面に不安を感じ、フルで働いても実生活が苦しい状態が続いている
▷②上司・先輩からのパワハラや理不尽な叱責が続いている
▷③サービス残業・過剰ノルマで体か精神に異変(睡眠障害・食欲不振・日曜夜が怖いなど)が出ている
▷④1年以上「辞めたい」が続いていて、状況が何も変わっていない
▷⑤週末強制勉強会・委員会など「断れない文化」が組織として固定化しており、それが重荷に感じている
1つでも当てはまるなら、今すぐ動いてください。
PT資格がある限り、あなたに合う職場は必ず見つかります。
「やめとけ・辞めたい」という感覚は、今の環境があなたから動くエネルギーを奪っているサインです。動き出せば、思ったより早く景色は変わります。

まずは、エージェントに登録だけしてみることやな。それが最初の一歩や。悩んでる時間の方がもったいないな。

たしかにそうだね。
とりあえず登録だけしてみるよ。
あなたも、まずその一歩を踏み出してみてください。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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